「大丈夫か?」
と声をかけてやると半泣きになりながら
「たぶん大丈夫、だけど足が痛い」
というので
「家がそんなに遠くないなら家まで送ってやろうか?バイクも後ろに積んでやるよ」
というと
「いいんですか?」
と言いやがった。心の中で
「ラッキー これでこいつの家も分かるし親に弁償させてやるぜ!」
と踊りたくなる気分だった。ガキAが山の上にいる他のヤンキーに連絡している間にApeを車の荷台に乗せる時に気づいたのだが、鍵を壊して直結して乗ってやがった!怒りを抑えながらどこへ向かったらいいかと聞くと我が家から車で10分程度のところだった。同じ町内なら後のことを考えて無茶は出来ないが、そこまで離れているなら正々堂々地獄を見せてやるぜ!とテンションが上がってきた。
ここからの分岐点は2つだ
①このまま警官のいる交番を見つけたら横付けをして突き出す。
②自宅へ送り、自宅を確認した後で警察へ突き出す。
①の場合は18歳未満ということで相手先も教えてもらえず泣き寝入りの可能性もある。となれば②番か?②番の場合も先に警察に話を通しておかないとややこしいことになるかもしれない。
結果。警察へ一報いれて自宅へ連れて行き、そこで警察に事情を話すという方向性でいくことにした。どこで警察に一報いれるかだがごく自然なほうがいい。
「ちょっと出血が激しいからコンビニで包帯と消毒液買うぞ!バイキンが入って化膿すると大変だから。破傷風とか怖いだろ」
といいコンビニに寄り消毒液を買うことになった。ただ消毒液はなかったので包帯と傷を洗浄用の水を買って、このあたりは道が全然分からんからどこへ行けばいいか?を聞きながら、ナビに電話を入れると案内が出るから教えてくれというと番地までいれて○○ー○○○と答えやがった。
実は私の使っているナビだが、電話番号を入れて検索しても個人宅の場合は苗字をいれないと検索が出ない。苗字を聞くと○○○というのでいれてみると案内が出た!
こいつの個人情報ゲット!
そいつが包帯を巻いてる間に、友達から電話がかかったふりをして交番ではなく警察署に連絡をして事情を簡単に話し、これから行く家の近くで待機してくれることになった。いろいろと聞かれうんざりとしてきたが最低限のことだけを話しなんとか納得してもらった。バイクを盗まれたあたりを説明したぐらいでは明らかに面倒臭そうな感じだったが、バイク泥棒の犯人を確保している状況を伝えると明らかに乗り気になって来たのが腹が立つがしょうがない!!!
ガキの自宅の前へ着いてヘッドライトを切ったぐらいに
「どうされましたか?」
と二人組みの警察官が近づいてきた。明らかにガキAはおどおどとしていたが、
「こいつがさっき電話したバイク泥棒の犯人です。」
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