コンパクトタイプのスマートフォンが本格的に絶滅危機
ここ数年のAndroidスマホの画面サイズは6.5インチから6.8インチ程度が主流で、コンパクトスマホと言われるされる6インチ未満のディスプレイを備えたスマホはほとんど発売されていません。以前はSONYのXperiaでもCompactシリーズがラインナップにありましたが現在では存在していません。
Xperia XZ2 Compact(5.0インチ 幅65 ×高さ135 × 厚さ12.1 mm 168g)
最後に販売されたXperiaのCompactはXperia XZ2 Compactとなりますが2018年6月22日なので約5年前となります。SONYはこの時点でコンパクトスマホに対する需要に見切りをつけて普通サイズ、もしくは大型サイズの端末開発に重点をおいたといえるでしょう、しかしCompactの名前は消えてしまったもののコンパクトスマートフォンというべき端末は販売されています。しかし端末名からCompactをなくしている時点でSONYはコンパクトスマホユーザーへの期待をなくしたと私は考えています。
Xperia Ace IIIのスペック | |
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本体サイズ(mm) | 幅69 x 高さ140 x 厚さ8.9 |
重量 | 約162g |
ディスプレイ | 約5.5インチ HD+ |
メモリ(RAM) | 4GB |
ストレージ(ROM) | 64GB |
CPU | Qualcomm® Snapdragon™ 480 5G Mobile Platform |
バッテリー | 4,500mAh |
最近では各メーカーもできるだけ液晶サイズを大きくしながらベゼル幅を狭くすることで小型ながら大画面の端末を開発しています。
Xiaomi製のXiaomi13ですが幅71.5×高さ152.8×厚さ8.0mmというコンパクトさで6.36インチという大画面を実現しています。しかし部品の小型化をすることはコストがかかりますし、ユーザーからの需要が少なければ開発費で赤字になってしまいます。ASUSのZenfoneシリーズも次機種からは小型端末が消えるという噂も現実味を帯びてきました。
ASUS Zenfoneシリーズ https://www.asus.com/jp/mobile/phones/zenfone/filter?Series=Zenfone
コンパクトスマートフォンに希望の光
コンパクトスマホ愛好家の有志らが立ち上がり、「夢の小型スマホ」の開発計画「Small Android Phone」が立ち上がりました。
https://smallandroidphone.com/
このプロジェクトにどれほどの信憑性と信頼性があるのかは疑問ですが、主導者はEric Migicovsky氏という人でPebbleというスマートウォッチメーカーの創業者です。
今回の開発要件としては
- 5.4インチっぽい1080p OLEDディスプレイ(60hzOK)
- カメラはPixel 5と同等でなければならない
- ストック Android OS
- Snapdragon 8 (またはその他のフラグシップ プロセッサと同等のもの)
- 5G
- ホールパンチフロントカメラ
- 2 つの背面カメラ (通常および広角)
- 8ギガバイトのRAM
- 128/256GB ストレージ
- 4 時間のスクリーンオンタイム (SOT)
- ロック解除可能なブートローダー
- NFC
上記のことを考えればAndroid版のiPhone Miniというところでしょうか。
Small Android Phoneについて思うこと
今回、問題となるのは価格と信用性です。元々のプロジェクトの開始理由は、主導者であるEric Migicovsky氏がSONYのXperiaCompactシリーズの開発が停止したことを悲観して、今後コンパクトスマートフォンがでないなら自分たちで作ってしまおうというところがなのでコンパクトスマホ好きとしてはぜひ応援したいところです。しかし現時点では予定価格は約11万円と言われています。価格が高いのは想定台数が少ない為ということが理由なので今後注文が増えるようなら価格は下がる可能性はまだあります。
しかし現状ではあまりに情報が少なすぎますし、信憑性についても疑問が残りますので今後の経過を見ながら出資をするかどうかを考えたいと思っています。KickStarterなどで募集をするのならもう少し信頼性は上がるのですが手数料が高いということで現時点ではそういったサービスを使用する考えはないようです。
どちらにしてももう少し具体的にプロジェクトが動き出し安心して出資できる状況にならない限りは検討もできません。
販売済みのコンパクトスマホについて
コンパクトスマホで忘れてはいけないのが液晶サイズ=端末サイズではないということです。最近ではどんどんベゼル幅を細くする技術も進化しているので以前の5.0インチ液晶の端末を5.5インチ端末で作ることが出来ています。そうなると注意するべきところはやはり筐体サイズです。またコンパクトな端末におサイフケータイなどの機能も入っていることも重要だと思うので全部入りのコンパクトスマートフォンとなると理想はiPhone13mini ぐらいとなってしまいます。やはりAppleの技術は素晴らしいと再度認識しました。
機種名 | 液晶サイズ | 筐体サイズ | 重量 | 発売日 |
Xperia XZ2 Compact | 5.0インチ | 幅65 × 高さ135 × 厚さ12.1 | 168g | 2018年6月 |
Xperia ACEⅢ | 5.5インチ | 幅69 x 高さ140 x 厚さ8.9 | 162g | 2022年6月 |
iPhone13mini | 5.4インチ | 幅64 × 高さ132×厚さ7.7 | 140g | 2021年9月 |
Xiaomi13 | 6.53インチ | 幅72 x 高さ153 x 厚さ8.1 | 185g | 2022年12月 |
こうして並べてみるとサイズだけ見てみるとXperia ConpactとiPhone13miniは他の端末に比べてひとまわり小さいサイズです。機種名にCompactやminiという名称がついているだけあります。ただXZ2 Compactは厚さが12.1mmもあるのでその点だけが引っ掛かります。
これからのコンパクトスマートフォンの未来について思うこと
スマートフォンの初期よりも技術はドンドン上がり、液晶のベゼル幅を狭くすることで以前の4インチクラスの筐体で5インチ程度の液晶を搭載できるようになりました。しかしそれでももう少し大きい液晶を望む人は多いですし、その反面持ち歩く端末の大きさに悩んでいる人もいるはずです。それを解決できる夢のような技術が折りたたむことができる液晶です。
Gyalaxy Flipという端末が発売されていますが、昔のガラケーのように折りたたむことが可能です。
最新のGalaxy Flip4では5G対応、畳んだ状態ではコンパクトですが開くと6.7インチの大画面液晶です。
昔、書いた記事で理想は閉じた状態でスマートフォンで開けばタブレットが理想というのを書きましたが、時代はその理想が実現できるほど夢に現実の技術が追い付いてきました。
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N-05EやM Z-01Kのように2画面のスマートフォン、LG V60のようにカバーで2画面を実現するもの。Galaxy FoldやGalaxy Flipのように液晶自体を折り畳めるように進化したものなど様々です。
特にGalaxy Foldなどのように1画面を折り畳める端末は今後増えてくる可能性が高いです。しかし折り畳み液晶には弱点が2つあります。
●端末が高額
●液晶に折り畳み跡が残る
この2点が解決するまではお手軽な価格で折り畳み液晶搭載のコンパクトスマートフォンの普及は難しいでしょう。それまでは1画面のコンパクトスマートフォンを望む層が一定数いると思われますが、最終的に価格が下がれば折り畳み液晶のコンパクトスマートフォンが主流になると私は考えています。
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