AI搭載PCとは何?
AI搭載PCとは何なのか?というところからの説明ですが、AIの処理をCPUやGPUだけでなくNPUで処理することが出来るPCのことです。CPUやGPUはともかくNPUは初めて聞くことがある単語だと思います。NPUは端末側でAI処理を行うための装置になります。AIテクノロジー内蔵PCとも呼ばれ、intelが発表した第14世代CoreプロセッサーからNPUが内蔵されています。それまでAI処理はCPUやGPUで行われていて、生成AIなどの大規模な処理はクラウド側で処理し生成結果をPCで利用していました。
AI PCの条件は
AI搭載PCの条件についてはintelとMicrosoftは下記の条件を満たすPCをAI搭載と定義しています。
①CPUとGPUにだけでなくNPUを搭載
NPUはintel製CPUの場合Core Ultraから搭載されているので最低でも14世代以降のCPUということになります。しかし当然ながらintelCPU以外にもNPUは搭載されており、一例としては下記の表を参考にしてください
メーカー | 名前 | 特徴 |
ウィンドウズ | インテル「Core Ultraプロセッサー」 | ノートPC用のNPUが搭載されたプロセッサー |
ウィンドウズ | AMD「Ryzen 8040」 | モバイル用のプロセッサー。旧型「Ryzen 7040」のAI性能を強化させている |
りんご | Appleシリコン | Apple独自のマイクロプロセッサー。M1~M4チップがある |
②Copilot in Windowsに対応
Copilot in WindowsはWindows11に搭載されているAIアシスタンス機能のことです。Microsoftは今後全てのMicrosoft製品にMicrosoft Copilotを組み込むことを表明しているので、AIにどれだけ期待しているのかが分かると思います。
③Copilotキーを搭載
これはWindowsキーと同じようなもので、今後発売される端末には搭載されると思うので気にしないでいいと思います。デスクトップPCの場合は安価で購入できるキーボードに交換してもいいでしょうし、場合によってはショートカットキーを割り振ってもいいかもしれません。
AI搭載PCは何ができるのか?Copirot365やCopilot in Windowsの登場
よく勘違いされますが、AI搭載PCだからといって指示すればなんでも自動的に作業などをしてくれるわけではありません。現時点ではCopilot in Windows の場合だとOSの個人設定や、アプリケーションと連携できます。たとえば変更したい設定や分からないことに対してテキストを入力して質問するとについて問いかけると該当する設定変更画面を開くことが可能です。使ったことのない設定の変更手順や分からないことを調べる時間が短縮できるので様々なことが効率化できることになります。
先ほどなんでも自動的に作業をしてくれるわけではないと書きましたが、実はそれに近いことは現時点で可能になっています。
Copilot365はMicrosoft製品であるExcel、Word、Powerpoint、Outlook、TeamsなどのMicrosoft365アプリと連携するAI支援機能です。
これはGPT-4をベースにした生成AI機能が搭載されており、テキストで指示するだけで過去のメールを参考に送信メールの下書きを作ったり、スライドや図表を作ったりなど、さまざまなことが可能になっています。例えば企業が対策すべき情報セキュリティという題で指示すれば一定枚数のパワーポイントのスライドを作成することも可能です。当然ながらそのまま使えるわけではなく手直しは必要ですが、大幅な作業時間の削減が可能になります。
費用面
ここまでCopilot365などの説明をしてきましたが、さすがにこれだけの機能があって無料で利用できるわけはありません。
Copilot for Microsoft365の価格について 公式サイト
これは法人向けの製品で個人ユーザーにはよほどの必要性がないと厳しい価格ですが、個人向けとしてはCopilotProというサービスがあります。
Copilot Proの価格について 公式サイト
CopilotProは個人ユーザー向けのサービスで、日本の場合は現時点では月額3,200円となっています。しかしこれだけで使えるわけではなくMicrosoft365と組み合わせる必要があるので最低でも月額5,000円かかることになります。しかしそれでも十分な需要な見込めるのがMicrosoft365+Copilotの作業効率です。
興味がある人は無料試用版を試してみるものいいかもしれません。
まとめ
最近、PCを購入してしまった人にはもうどうしようもないですが、これからPC購入を検討している人はAI PCのことも検討しながら購入することをおススメします。以前からこれからAIの時代だと言われていましたが個人向けではまだまだ先の話だと思っていました。しかし14世代のintelCPUからNPUが搭載されるとは思いませんでしたし、最初の搭載ということはここから更に劇的な性能向上が見込めるかもしれません。
しかもCopilot+CPUとしては40TOPS以上のNPUの統合が必要となります。2024年6月時点でこの要件を満たすCPU/SoCは
※40TOPSSとは毎秒40兆回の処理速度
ピーク時の処理性能を40TOPS(毎秒40兆回)以上とする必要がある。6月時点において、この要件を満たすCPU/SoCは
Snapdragon X Elite(Qualcomm)
Snapdragon X Plus(Qualcomm)
Ryzen AI 300シリーズ(AMD)
Lunar Lake(Intel)
この4種だけです。今後はもっと増えてくると思いますが、それを考えても今PCを購入するのは得策ではなさそうです。
AI PCというのはスマートフォンの普及と同じくらい世界を変えると言われているので、一定数普及すれば爆発的に普及する可能性があります。
【過去記事】
カメラの写真がjpgではなくheicという拡張子だった。heicをjpgに完全無料で一括変換する方法
こういった手間がかかる作業もAIが自動的に作業してくれれば便利になると思います。
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